(2005年3月4日(金)高松テルサにて)
ジャズクラブ等でのライブはそれまでにもやっていましたが、ホールでのリサイタルはこれが初めてでした。
ある方のご提案により実現したこのリサイタル。運営に携わってくださった方々も私も、ゼロからリサイタルを企画するのは初めてで、分からないことが沢山ありましたが、逆にそれが楽しいところもあり、私自身どこかうきうきしながら準備を進めていたような気がします。
しかも本番は私の誕生日!とはいっても全然特別な年齢ではありませんでしたが(笑)。また、これがバースデーコンサートだったわけでもありません。
チラシ裏に載せる推薦文はFM高松ディレクターのアンリさんと、よくご一緒しているシャンソン歌手の別府葉子さんに、そしてプログラムに載せる「ごあいさつ」はクラシックピアノの恩師・花崎桂子先生に書いていただきました。
このリサイタルは完全ピアノソロで3部構成。第1部はジャズスタンダード、第2部はオリジナル、第3部はジャズ以外の音楽でした。
MCはFM高松の菅ゆりさん。番組で以前ご一緒させていただいていたのが縁で、このとき担当してくださることになりました。
さすがに最初は少々かたくなってしまいましたが、だんだん調子が出てきて、オリジナルではやっと自分が出せるようになりました。そのうちの1つ、「スピニング・アラウンド(Spinning Around)」という曲ですが、長年温めてきた曲でした。車のコマーシャルで登場するような絶景を車で疾走するのを想像していたらメロディーが浮かんできたというものですが、この曲をきちんとしたものに仕上げるだけの技術がなく、10年目にしてやっと完成させました。個人的にはお気に入りなのですが、エネルギーを消耗するので、弾くのにヨイショが要る曲です(汗)。
演奏曲目の中からもうひとつ取り上げるならば、第3部の最後に弾いたアストル・ピアソラの「リベルタンゴ(Libertango)」。ヨー・ヨー・マの名演に魅せられてこの曲に取り組みましたが、結果的にちょっと激しい、情熱的なものになったような気がします。当時、確か車のCM(車のCMが好きなのだろうか、私?)でこの曲が使われていましたが、オーケストラバージョンでとても雄大さを感じさせるもので、とても好きでした。いい参考になったのをおぼえています。アドリブ部ではタンゴの雰囲気を保ちつつ、とにかく展開しまくって、盛り上げていきました。
初めてのリサイタル、出せるものを出し切ったと思います。そして、本当にいろいろな方々にお世話になりました。ありがとうございました。お客様からは、楽しかった~♪という声が多く、とても嬉しかったのですが、一方で的を射たご意見もいただきました。緊張するのはよく分かるが最初からドンと構えて演奏してほしかった、終わり方がよく似た曲が多かった、ピアノソロもいいけれど他の楽器の音も聴きたい、等々。次回のリサイタルではこれらの意見をきちんと生かせられるように・・・と心に誓って、翌年の第2回リサイタルに臨むことになりました・・・。
演奏曲目
第1部
煙が目にしみる/Smoke Gets In Your Eyes(Jerome Kern)
サヴォイでストンプ/Stompin’ At The Savoy(Benny Goodman, Chick Webb, Edgar Sampson)
セントルイス・ブルース/St. Louis Blues(W. C. Handy)
クレオパトラの夢/Cleopatra’s Dream(Earl “Bud” Powell)
A列車で行こう/Take The “A” Train(Billy Strayhorn)
パリの四月/April In Paris(Vernon Duke)
第2部
ホレスに捧ぐ/A Song For Horace(梅田玲奈)
街の灯/City Lights(梅田玲奈)
スピニング・アラウンド/Spinning Around(梅田玲奈)
第3部
ジュピター/Jupiter(Gustav Theodor Holst)
シャンソンメドレー:
サ・セ・パリ/Ça C'est Paris(Jose Padilla)
枯葉/Les Feuilles Mortes(Joseph Kosma)
ミラボー橋/Le Pont Mirabeau(Léo Ferre)
忘れじのおもかげ(シー)/ She(Charles Aznavour)
リベルタンゴ/Libertango(Astor Piazzolla)
機
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(2006年6月16日(金)香川県県民ホール・アクトホールにて)
前の年に1度リサイタルをしたので、「今年は準備の方も手順が分かっているから大丈夫!」・・・なんて思っていましたが、むしろ2回目の方が大変でした。やはり、すべてにおいて第1回目と比較してしまうのです。また、第1回目を越えなければ・・・と思うので、余計な力が入ってしまうことがしばしばありました。
実行委員は前年お世話になった方々がこの年も引き受けてくださいました。皆さん、それぞれのお仕事で超多忙な方ばかりなので、頭が下がる思いでした。私も少しずつ自分で動いていけるようにならなければと感じ、色々頑張ってみましたが、普段から天然で「抜けた」ところがあるので、うまく作業がこなせず、自分の情けなさを痛感するばかりでした。
それまでしばらくの間ピアノソロが主流になっていましたが、第1回のリサイタルのあと、「いろんな楽器の音が聴きたかった」というご意見もいただきましたので、今度はピアノトリオも入れようと考えました。ベースは徳島市在住の神崎薫さん、そしてドラムは淡路島出身で神戸市在住の、当時弱冠20歳(21歳?)だった定岡弘将さんにお願いしました。よって第1部はピアノソロ、そして第2部はピアノトリオという構成になりました。
ジャズスタンダード・他のジャンルの曲・オリジナルという方向性は第1回と同じでした。しかし、前回は一般によく知られた曲を中心に選んだのに対し、第2回はより自分自身の内面にこだわり、それに合った曲を取り上げました。「人生」に関する曲も2つありました(「時の流れに(Avec Le Temps)」、「マイ・ウェイ(My Way)」)。少々分かりにくい、とっつきにくい曲もあったかもしれません。
チラシ裏に載せる推薦文は前年と同じくFM高松ディレクターのアンリさんに、プログラム載せる「ごあいさつ」は丸亀市にあるジャズクラブ「D’s Club」マスターの冨山利三さんにそれぞれ書いていただきました。どちらも素晴らしい文章でした。前の年もそうでしたが、いただいた推薦文・ごあいさつを拝読すると、自分ではそれまで気付かなかった、第三者からみた私の音楽性等にふれることができ、それが新たな自信につながっていきました。
当日のMCは、県内を中心にさまざまなイベントを企画・出演されているるいままさん。お体の具合が良好とはいえない中、1曲1曲について見事な解説文を書き、ステージで披露してくださいました。プログラム表紙の絵は、高松市在住のイラストレーター・中尾麻沙也さんが担当。街の夜景の絵をお願いしていましたが、完成した絵を拝見すると、私がかつて音楽留学していた米国ボストンの夜景にとても似ていてびっくり!遊び心のある素敵な絵でした。
本番当日までは超ばたばた状態、しかも緊張で心臓がつぶれそうになるときもありました。しかしその本番を迎え、ステージから沢山のお客様の姿を目にしたときは、それまでの疲れは一気に消え、あまりの嬉しさに笑みを隠せませんでした。
このリサイタルの演奏曲目からいくつか取り上げてみます。
第1部最後にピアノソロで演奏した「チャーリーとチョコレート工場」の2曲メドレー。前の年にこの映画を観て、使われている音楽のユニークさに惚れ込み、「絶対この曲を今度のリサイタルで演奏する!」と心に決めていました。チラシにも早速このタイトルを出したくらい意気込んでいたのですが、アレンジは相当苦労しました(笑)。もともと個性的な曲をさらに個性的なものに仕上げるにはどうしたらよいか、ジャズの要素をどのように盛り込んだらよいか・・・。頭がぐらぐらしました。アレンジ以上に大変だったのは弾き方。鍵盤を強く叩く、繊細に弾く、といっても、それぞれに何種類ものレベルがあり、また完全に殻を破ってしまわないととても演奏できませんでした。
前出の「時の流れに(Avec Le Temps)」は私がシャンソンの中で最も好きな曲。レオ・フェレというシャンソン界の大作曲家による作品で、おそらく彼が50代半ばで発表したと思います。原曲はスローなバラード(?)で、聴いていると人生半ばを過ぎた彼の味がひしひしと伝わってきましたが、一方まだまだ人生経験の少ない私が彼と同じスタイルで演奏したら嘘っぽくなる・・・と思い、演奏したくても常にあきらめてきました。ところが、ある日ピアノでたまたまこの曲をラテン調で弾いてみたところ、不思議にどこかしっくりくるものがありました。そして、「レオ・フェレ氏のような味は到底出せないが、多少の経験は積んできた今の自分を素直に出せばいいのだ」という気持ちとそのラテンスタイルが自分の中でぴったり合い、ついにやってみることにしました。これはピアノトリオで、渋めの、かつ情熱的なラテンに仕上げました。
第1部、第2部でそれぞれ1曲ずつオリジナルを演奏しました。「カーニバル(Carnival)」と「カプリチオ(Capriccio)」。自分自身を一番表現できるのはやはりオリジナルでした。特に後者はトリオだったのでおふたりのリズムに支えられ、途中で今までに味わったことのないスリル感が体中を走りました。
アンコール曲は、何故?と思われそうですがビートルズ関連の曲を2曲ピアノで演奏しました。「イマジン(Imagine)」と「ヒア・カムズ・ザ・サン(Here Comes The Sun)」です。特に後者は私がビートルズ曲で最も好きな曲。一度大きな舞台で思い切り弾いてみたいと思っており、この日ついに実現しました。自分でも驚きましたが、この2曲は意外にも大好評でした!
個人的に反省するところは色々ありましたが、思い出に残る、いいリサイタルになりました!神崎さんの柔らかみのあるベースと定岡さんの切れ味のいいドラム・・・このお二人の存在は大きかったです。おかげさまで、お客様にもとても楽しんでいただけたようです。
年を経る毎に感じるのですが、本当に多くの方々のお力に支えられて、ひとつのリサイタルやライブが開催できます。自分がこのとき一部運営に携わってみて、そのことを特に痛感しました。
ここではご紹介できなかった方々も沢山いらっしゃいますが、このリサイタル開催にご協力くださった全ての皆様に御礼申し上げます。どうもありがとうございました!
演奏曲目
第1 部 ピアノソロ
ラ ヴ/L-O-V-E(Bert Kaempfert,Milt Gabler)
アイヴ・ゴット・ザ・ワールド・オン・ア・ストリング/I’ve Got The World On A String(Harold Arlen)
サイドワインダー/The Sidewinder(Lee Morgan)
小さな花/Petite Fleur(Sidney Bechet)
ポートレート・オブ・シドニー・ベシェ(「ニューオーリンズ組曲」より)/Portrait of Sidney Bechet (from“ New Orleans Suite”)(Duke Ellington)
カーニバル/Carnivals(梅田玲奈)
ウォンカズ・ウェルカム・ソング ~ オーガスタス・グループ(映画「チャーリーとチョコレート工場」より)/Wonka’s Welcome Song ~Augustus Gloop (from“ Charlie and the Chocolate Factory”)(Danny Elfman)
第2部
プレイ・ピアノ・プレイ/Play, Piano, Play(Erroll Garner)
ロデオ・ドライブ/Rodeo Drive (High Steppin’)(Joe Sample)
セイ・イット/Say It (Over And Over Again)(J. McHugh, F. Loesser)
カプリチオ/Capriccio(梅田玲奈)
時の流れに/Avec Le Temps(Léo Ferré)
マイ・ウェイ/My Way(P. Anka, J. Revaux, G. Thibault, C. François)
C ジャム・ブルース/C Jam Blues(Duke Ellington)
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